外壁コーキングはDIYより業者に依頼した方が良い?外壁コーキングを徹底解説!
外壁コーキングはDIYより業者に依頼した方が良い?外壁コーキングを徹底解説!
外壁コーキングは、誰でも手軽にできるとイメージしている方も多いでしょう。
しかし、実際にはDIYで作業すると失敗することも多く、素人がやるよりもプロの業者に依頼する方が安心です。
そこで今回は、外壁コーキングの目的や種類、寿命が来るとどういう症状が出るのか?など外壁コーキングに関する疑問を徹底解説していきます。
外壁のコーキングとは?
新築住宅で採用されているサイディングや、ALCパネル・タイルなどの外壁材を貼るときに、目地に充填されるのが「コーキング」です。
外壁のコーキングとは、見た目はゴムのような素材で、外壁材同士にできるすき間を埋めるために充填材を入れること。
この充填材を「コーキング材」と言い、充填された部分のことを「コーキング」と呼びます。
コーキングは外壁材以外にも、浴槽と壁のすき間・キッチンと壁のすき間など水回りにも使用されることが多いです。
外壁のコーキングをする目的とは?
ここでは、外壁のコーキングをする目的を解説します。
水の侵入を防ぐ
外壁をコーキングすると、すき間を埋めることができるので水の侵入を防げます。
サイディングや、ALCパネル・タイルなどの外壁材でコーキングは使用されていますが、このような外壁材は複数のボードやパネルを貼り付けて仕上げます。
そのため、貼り付けた外壁材同士にすき間が生じてしまうのです。
外壁コーキングを施工しなければ、少しのすき間からでも雨水が入ってしまい、年数が経過すると雨漏りにつながります。
またコーキングが劣化すると防水性が低下するため、雨漏りの原因にもなるでしょう。
外壁の負担を軽減する
外壁コーキングは、外壁材にかかる負担や衝撃を吸収する役目があります。
外壁材は、地震の揺れ・気温の変化・外壁材の伸縮などさまざまな影響を受けやすいです。
そこで、コーキングのように柔らかい素材ですき間を埋めることで、緩衝材の役割を果たしてくれます。
外壁のコーキングをすれば、外壁材のひび割れや損傷防止にもつながるでしょう。
コーキングとシーリングの違い
目地に充填される目地材のことを「コーキング」や「シーリング」と呼びます。
では、コーキングとシーリングは何が違うのでしょうか?
実は、両者の違いは曖昧であり、「業者によって呼び方が異なるだけ」という場合も多いです。
コーキングとシーリングの英語訳は、以下のとおりです。
・コーキング(Caulking):すき間や穴に詰め物をする、水漏れを防ぐ
・シーリング(Sealing):密閉する、封印する
この英訳からもわかるように、どちらも「目地に詰め物をして水漏れを防ぐ」「目地を密封させる」などの意味で使用されています。
外壁塗装におけるコーキングとシーリングは、同じ意味であるととらえて良いでしょう。
外壁コーキングの種類とは?
外壁コーキングは、種類によって特徴が異なるもの。
ここでは、外壁コーキングの種類を解説します。
アクリル系
アクリル系コーキングは、水性で施工しやすいです。
しかし紫外線には弱く、耐久性が低いというデメリットもあります。
耐用年数:10~15年
アクリル系のメリット
- 水性で施工しやすい
アクリル系のデメリット
- 紫外線に弱い
- 耐久性が低い
ウレタン系
ウレタンは、弾力性や密着性に優れているコーキング材です。
耐久性が高く、ひび割れ補修におすすめ。
ただ紫外線に弱いため、外壁で使用する際には上から塗装して保護する必要があるでしょう。
耐用年数:10~15年
ウレタン系のメリット
- 弾力性・密着性に優れている
ウレタン系のデメリット
- 紫外線に弱い
シリコン系
シリコンはコーキング材の中で、最も使用されている種類です。
キッチンや浴槽などの水回り補修に使用されることが多いです。
耐久性、耐熱性、耐水性に優れていて、カラーバリエーションも豊富。
さらに安価なので、使いやすいでしょう。
ただし、重ね塗りは不可なので、塗装が必要な外壁や屋根への使用はできません。
耐用年数:10年
シリコン系のメリット
- 耐久性に優れている
- 耐熱性に優れている
- 耐水性に優れている
- カラーバリエーションが豊富
- 安価
シリコン系のデメリット
- 重ね塗りができない
変性シリコン系
変性シリコン系は、シリコンと同じように耐久性に優れており、重ね塗りもできるコーキングです。
耐候性が高いため、屋根や外壁に使用されることが多いのが特徴。
塗装前後、どちらでも使用OKなのも魅力の1つ。
外壁の目地部分・屋根板金・窓まわり・配管まわりなど、幅広い部分に使用できるオールマイティーなコーキングと言えます。
耐用年数:10~15年
変性シリコン系のメリット
- 耐候性が高い
- 重ね塗りができる
- 外壁や屋根、窓まわり、配管まわりなど幅広い部分に使用できる
変性シリコン系のデメリット
- 価格が高め
ポリウレタン系
ポリウレタンは、柔軟性や防水性、耐久性に優れた素材。
変性シリコン系に比べると、価格が安いです。
ただ紫外線には弱いため、外壁や屋根に使用する際には、上から塗装による保護が必要となります。
サイディング外壁、コンクリート、ALC外壁の目地部分に使用されるケースが多いです。
耐用年数:5~10年
ポリウレタン系のメリット
- 柔軟性がある
- 防水性が高い
- 耐久性に優れている
- 価格が安い
- 汚れにくい
ポリウレタン系のデメリット
- 紫外線に弱い
外壁コーキングの平均寿命は5~10年
外壁コーキングの寿命は、平均すると5〜10年程度と言われています。
もちろん、使用するコーキング材の種類によって、耐用年数は違います。
耐用年数が平均より短いものもあれば、15年と長いものもあるでしょう。
また、コーキングの上に外壁塗装を行っている場合、寿命は変化します。
コーキングの上に外壁塗装を行っていれば、行っていない場合に比べて寿命が少し長くなる傾向にあります。
気候や立地条件によっては、寿命より早く劣化する場合もあるので注意が必要です。
外壁コーキングの寿命がくるとどうなる?
外壁コーキングの寿命がくると、家にはどのような症状が現れるのでしょうか?
寿命後の変化をまとめました。
ひび割れ
コーキングの寿命がくると表面が収縮して、細い線が入ったようなひび割れを起こします。
ひび割れをそのまま放置すると、コーキング材は硬くなって亀裂が入り、真ん中が切れてしまう「破断」と呼ばれる大きな傷になってしまうのです。
ひび割れ=コーキングの弾力性・柔軟性が失われているという証拠になるので、そのまま放置せず、早めに補修しましょう。
肉やせ
コーキングの弾力が弱くなってしまうと、施工した部分が痩せて細くなる「肉やせ」が起こります。
肉やせが起こると、外壁材との間にすき間が生じるでしょう。
肉やせの状態をそのまま放置してしまうと、さらにコーキングは痩せて細くなり、剥がれてしまいます。
剥がれ(剥離)
経年劣化が起こると、コーキングがボロボロ剥がれて、下地が見えてしまいます。
コーキングの剥がれをそのまま放置してしまうと、外壁の防水機能が低下します。
早めに修復するようにしましょう。
欠け
経年劣化によって、コーキングが欠けることがあります。
外壁の防水機能の低下や劣化につながるので、気を付けなければなりません。
欠けている部分が広範囲な場合には、外壁材が横揺れの衝撃に耐えられなくなり、外壁がひび割れを起こしてしまうこともあります。
雨水が侵入して腐敗が進む
ひび割れ、剥がれ、肉やせ、欠けが起こったコーキングは、すき間から雨水が侵入しやすく、防水機能が低下している状態です。
雨漏りによって、建物内部が腐食する場合もあります。
できるだけ早めに、コーキング補修を行いましょう。
コーキング補修方法「増し打ち」と「打ち替え」の違い
コーキングの補修方法には、「打ち替え」と「増し打ち」2つの工法があります。
外壁のコーキングを補修する際には「増し打ち」よりも「打ち替え」がおすすめ。
それぞれの特徴をまとめてみましょう。
打ち替え
打ち替えとは、既存のコーキングを撤去して新たにコーキングを打つ方法です。
打ち替えをしたコーキングの耐用年数は平均で7〜10年、長くて12〜15年前後になります。
古くなったコーキング材を全て撤去して、完全に新しくするため、外壁の目地のすき間をしっかりと埋めることができ、防水性や柔軟性がアップします。
外壁の耐久性を高めたいのであれば、打ち替えがおすすめです。
打ち替えのメリット
- 防水性が高まる
- 柔軟性が確保できる
- 耐久性が高くなる
打ち替えのデメリット
- 工事費が高い
増し打ち
増し打ちとは、既存のコーキングの上から重ねて打つ方法。
増し打ちでは、強度を失ってひび割れしてしまったコーキングを修復することができません。
コーキングの内側や裏側など目に見えない部分に関しては、ひび割れやすき間ができていても気づきにくいというデメリットがあります。
さらに新しいコーキング材は、古いコーキング材とはなじみません。
増し打ちした箇所でも徐々に剥がれてしまうため、耐用年数は2〜5年程度です。
ただ、増し打ちは打ち替えと比べると、施工時間が短く、工事費が安いというメリットもあります。
増し打ちのメリット
- 工事費が安い
- 施工時間が短い
増し打ちのデメリット
- 耐用年数が短い
- ひび割れやすき間ができていても気づきにくい
- 増し打ちした箇所でも徐々に剥がれてしまう
外壁コーキング補修の費用相場
外壁コーキングの打ち替え、打ち増しには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
打ち替えの費用相場は、1メートルあたり約1,000〜1,300円で、増し打ちの費用相場は1メートルあたり約500〜900円と言われています。
打ち増しの場合は、それにプラスして既存コーキング撤去費(約1〜3万円)が必要です。
また、足場の設置費用(約15〜20万円)は、打ち替え・打ち増しどちらの場合でも必要になります。
外壁コーキングの安易なDIYはリスクが大きい
最近ではDIYが一般的になり、外壁コーキングに必要な道具もホームセンターで簡単に手に入ります。
そのため、DIYが好きな方の中には、「自分で外壁コーキングの補修を行いたい」という人もいるでしょう。
確かに上手く作業できれば、プロの業者に依頼するよりも費用をかなり抑えることができます。
しかし外壁コーキングの補修は、想像以上に難しく、危険を伴う作業です。
例えば、新しく充填したコーキングはうまく接着できないため、何度も同じ作業をしなければなりません。
コーキングが他の場所にこびりついてしまった場合、取れなくなるリスクもあります。
また、2階などの高い位置にある部分を作業する場合には、はしごを使って作業しなければならず非常に危険です。
外壁のコーキング補修作業は、一見簡単そうに見える作業ですが、使用するコーキングの種類や作業方法によっては、専門知識が必要になります。
今後メンテナンスとして外壁塗装のリフォームをする際には、コーキングを全て撤去して新しく打ち替えることになります。
素人がDIYで中途半端に補修したコーキングは、剥がす作業に手間がかかり、それによって工事費が高額になってしまうこともあるでしょう。
このような点から、基本的にはコーキング補修は素人が自分で行わず、コーキング工事が得意なプロの業者に依頼するのが一番です。
コーキングの補修は外壁・屋根塗装と一緒のタイミングがおすすめ
今回は、外壁のコーキングについて解説しました。
外壁のコーキング補修を行う場合には、外壁や屋根塗装と一緒のタイミングで行うのが経済的におすすめ。
外壁の高い場所をコーキング補修する際には、足場を組む必要があり、コーキング補修と外壁・屋根塗装を分けて行ってしまうと、2回分の足場代がかかります。
一般的に、足場代は15〜20万円かかると言われています。
足場を組むのは時間的にも大変ですので、外壁塗装、屋根塗装、外壁のコーキング補修を一度にしてしまった方が時間的にも経済的にも楽でしょう。
外壁コーキングのまとめ
今回は、外壁コーキングについて解説しました。
外壁コーキングは水の侵入を防ぎ、外壁の負担を軽減させるために必要不可欠です。
コーキング材にはいくつかの種類があり、耐用年数やメリット・デメリットはそれぞれの製品によって異なります。
メリット・デメリットを考慮しながら、コーキング材を選ぶと良いでしょう。
また、外壁コーキングの寿命がくると、ひび割れ、剥がれ、欠けなどの症状が起こり、雨水が侵入して家の腐敗が進んでしまいます。
定期的に、外壁のコーキングは補修するべきでしょう。
補修する際には、自分でDIYするよりも外壁コーキング補修に慣れている業者に依頼した方が安心です。
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