まとめて工事でお得に!工事のタイミングはいつ?
外壁と屋根をまとめて塗装工事をすれば、かかる費用は決して安くはありません。でも、タイミングをずらして別々にするよりお得になります。費用面以外のメリットもあります。
まとめるメリット
足場設置などの費用を節約できる
塗装工事をスムーズに、そして安全におこなうために足場の設置をします。外壁塗装と屋根塗装を同時にすれば、足場設置および解体にかかる費用は一度で済みます。同様に、建物の破損や汚れを防ぐ養生資材の節約にもなります。また、業者さんへの交通費や駐車料金などの負担も軽減できます。
外観のイメージやデザインを統一できる
塗装工事の打ち合わせでは、外観のイメージを左右する塗装選びに時間をかける人が多いです。外壁と屋根のカラーを合わせて検討できるので、デザインや雰囲気を統一できます。最近ではパソコンを使ってカラーシミュレーションで確認しながら、より自分の希望通りのカラーを選べます。
業者への依頼が一度で済ませられる
塗装工事における業者との打ち合わせは1回で済むことはありません。工事前の外壁や屋根の現状調査、見積もり、色や塗料選びなど、業者と何度も話し合うことも少なくありません。また、工事完了後にも業者が立ち会いのもと検査をおこなうのが一般的です。また、近所への挨拶回りの手間も一度で済ませられます。
外壁塗装と屋根塗装を同時にするとどんな工事・工程になる?
外壁と屋根の塗装工事はどのような流れでおこなうのでしょうか。建物の大きさや塗装面積、天候にもよりますが、一般的に作業日数1は約4〜18日といわれています。
効率よく塗装できるように足場を設置する
足場の設置は塗装工事において必ず必要な工事です。高所でも安定して塗装作業ができるため、施工後の仕上がりを左右します。また、職人さんの安全を守る役割もあります。人がやっと通れるスペースがあれば、どんな狭い場所でも足場の設置はできます。
水や塗料の飛び散りを防ぐため養生する
足場には、家全体を覆うように養生シートがかけられます。高圧洗浄の水や塗料の飛び散りを防ぐためです。塗装工事では隣家への塗料の飛び散りや建物の破損トラブルが多いので注意しましょう。
高圧洗浄で屋根と外壁の汚れを落とす
塗料をしっかり密着させるために、屋根と外壁を高圧洗浄できれいにします。少しでも汚れが残っていると、塗膜の剥がれやひび割れの原因になってしまいます。自宅や隣家の窓が閉まっているか確認しましょう。
基礎部分の補修と下地処理をする
高圧洗浄後、ひび割れなどがある場合にはプライマーやシーリング剤を使用して補修します。近年外壁材として普及しているサイディングボードは、繋ぎ目のシーリング部分が劣化しやすいので、シーリングを補充したり打ち直しをすることもあります。
また、屋根やベランダなど鉄部・木部の塗装をおこなうときは、どちらもケレン作業をして表面をきれいにします。下地処理は塗装の仕上がりを決める重要なポイントです。
塗装(下塗り・中塗り・上塗り)
塗装は下塗りと中塗り、さらに上塗りの3回が基本です。それぞれしっかり乾いたあとに塗る必要があること、なかには塗料を節約して中塗りの工程を飛ばす業者もいることに注意しましょう。塗ってしまってからでは分からないので、施工中に見学するとよいです。
足場の解体と養生シートの撤去
塗装が済んだら足場の解体、養生シートの撤去をして工事は終了です。工事が済んだら施工箇所を一通り確認しましょう。
外壁・屋根塗装を同時にする費用ってなにが含まれる?相場も
外壁塗装と屋根塗装工事にかかる費用にはどんなものが含まれているのでしょうか。見積もりをとってもらったら、明細と相場と大きく違わないか確認できるようにしておきましょう。
足場設置と解体にかかる費用
塗装工事における足場設置や解体にかかる費用は、総費用全体の約20%を占めます。次の式でおよその費用を算出できます。
【足場を架ける面積 × 足場費用/㎡】
足場を架ける面積は足場架面積といい、【建物の外周 + 8m】です。また、足場費用の相場は600〜800円/㎡。見積書には、足場仮設費などと書かれていて、無料になることはまずありません。
使用する塗料や補修材の料金
塗料代も施工費の約20%です。補修剤や下地剤もこれに含まれます。塗料の単価は種類によって大きく異なります。一般的な外壁塗装でよく選ばれているシリコン塗料の場合、2500〜3500円/㎡が相場です。さらに同じシリコン塗料でも水性か油性かによってグレードが異なり、耐久性も費用も違ってきます。
見積書では、使用する塗料のメーカー名と商品名(品番)、料金が明記されているかも確認しましょう。
人件費を含む工事費用
約30%が実際の工事費用です。工程や作業内容によって費用相場が異なります。見積書には「飛散防止ネット」「高圧洗浄」「養生」「塗装施工費」「付帯部塗装施工費」「シーリング打ち直し」「下地補修」などと明細が書かれています。
外壁と屋根にこんな症状があれば塗装を同時にするタイミング
外壁や屋根の塗装のタイミングは、使用する塗料やお住まいの気候によって異なりますが、約10年といわれています。でも、このような症状がある場合は塗装工事を検討しましょう。
塗膜の剥がれやひび割れがある
外壁や屋根は常に紫外線や風雨からダメージを受けています。また、湿気が原因で発生するカビや苔などもあまりよくない影響を与えてしまいます。塗装が剥がれてきたり、ひび割れが目立ってきたら、そろそろ塗料の寿命です。塗膜の劣化は、塗料の機能を十分に発揮できていないサインでもあります。
外壁にクラックが入っている
外壁に入ったひび割れをクラックといいます。クラックには、塗膜に発生する幅0.3mm以下、深さ4mm以下の微細なヘアークラックと、外壁本体に発生する構造クラックがあります。ヘアークラックは通常の塗装工事で問題ありません。
しかし、構造クラックは建物の基礎部分の不具合が考えられるので、まず補修工事を優先しましょう。
屋内の天井や壁にシミがある
天井や壁紙にシミがある場合は、雨漏りの可能性があります。雨漏りは建物の構造的な不具合のこともありますが、外壁や屋根の塗装劣化が原因のことも少なくありません。
まずは天井裏や外壁の基礎に不具合がないか住宅の検査をしましょう。場合によっては、大掛かりな構造部分のリフォームが必要になることもあります。
外壁と屋根塗装を同時にするなら使用したいおすすめの塗料
塗装は建物を保護する役割があります。外壁と屋根の塗装を同時にするなら、私たちがより安全にそして快適に過ごせる塗料を選ぶこともできます。
キレイがずっと続く低汚染塗料
外壁の汚れには、苔や藻、湿気によるカビ、外気のホコリなどさまざまです。最近では、そもそも汚れがつきにくく、雨水などで汚れが落ちやすい塗料が開発されています。低汚染塗料と呼ばれていて、セルフクリーニング機能があります。メンテナンス性が高いことが大きなメリットです。
また、太陽の光によってセルフクリーニング機能を発揮する光触媒塗料も注目されています。
一年中快適に過ごせる断熱塗料
室内には、外気や紫外線と接する外壁や屋根から熱が入り込んできます。建物の基礎部分には断熱材がありますが、断熱機能がある塗料を使用するのも効果的です。
断熱塗料は、暑い夏は外気の温度を室内に侵入するのを防ぎ、寒い冬は室内の暖かい空気を逃しません。年間を通して快適に過ごせますし、エアコンなどの省エネにもなります。
とにかく長持ちする無機塗料など
耐用年数が高い塗料を使用すれば、塗装工事の頻度が少なくて済みます。フッ素樹脂系塗料や無機塗料、ピュアアクリル塗料がおすすめです。塗料ごとの寿命の目安は次の通りです。
■アクリル系樹脂:3〜5年
■ウレタン樹脂系:5〜7年
■シリコン樹脂系:10~12年
■フッ素樹脂系:10〜15年
■無機塗料:10〜15年
■ピュアアクリル:10〜15年
■光触媒:10〜15年
外壁塗装・屋根塗装業者を賢く選ぶためのポイントとは?
塗装工事にはトラブルがつきものです。決して安くない出費です。のちのち後悔しないように業者選びのポイントを押さえておきましょう。
じっくり話を聞いてくれる業者かどうか
当たり前ですが、こちらの希望や悩みを真剣に聞いてくれるかどうかは大事です。担当の人の対応の仕方やスピードなど、打ち合わせの段階で信頼できそうか肌で感じることも多いでしょう。
また、契約を急かすような業者や、訪問営業をしてくる業者は避けたほうが無難です。
アフターフォローや保証内容を確認する
アフターフォローとは、塗装工事後の定期点検のことです。1年後、3年後、5年後というケースが多いようです。施工後の不具合は数年経ってから分かることもあるため、大切な点検です。
もし不具合が見つかった場合には、原因を調査します。症状が保証内容の対象であること、また保証期間内であれば再度塗装工事をおこないます。
3~4社に複数の見積もりをとってもらう
初めて外壁や屋根の塗装工事を依頼するなら、1社だけでなく、複数の業者から見積もりをとって比較しましょう。費用相場と大きく異なっている、工程別の明細や塗料の品番が明記されていないこともあるかもしれません。
専門知識がない素人には分かりにくいことが多いです。しかし、業者任せにせず、おかしな点があれば理解できるまで質問することが大切です。
まとめ
外壁と屋根を同時に塗装するメリットは大きいです。足場の設置や解体の費用が一度で済み、契約までの打ち合わせにかかる時間を節約しつつも、家の外観を統一することができます。
塗膜のひび割れや剥がれは塗料が劣化しているサインです。住宅診断をしてもらうと、構造部分の不具合や、適切な塗装のタイミングが分かります。
また、塗装工事の費用は業者によって様々なので、相場を知っておくことが大切です。複数の見積もりをとり、信頼できる業者を選びましょう。