屋根のリフォーム工事は8種類!おすすめの屋根材を徹底解説
- 1. 屋根のリフォーム工事は8種類!おすすめの屋根材を徹底解説
- 1.1. 屋根のリフォーム工事を行うメリット
- 1.2. 雨漏りを改善できる
- 1.3. 屋根リフォームの工事は8種類
- 1.4. 屋根材は種類によって価格や耐用年数が異なる
- 1.5. 屋根材を選ぶ基準とは?
- 1.6. 屋根リフォーム工事の種類まとめ
屋根のリフォーム工事は8種類!おすすめの屋根材を徹底解説
屋根は雨風や紫外線にさらされているため、劣化が進みやすいです。
家を建てて年数が経つと、屋根の塗装が剥がれたり、雨漏りをしたりとさまざまな症状が現れます。
そんなときにおすすめしたいのが「屋根のリフォーム」です。
屋根のリフォームと言っても、さまざまな種類があります。
そこで今回は、リフォーム工事の種類やおすすめの屋根材について解説します。
屋根のリフォームを検討している方は、参考にしてみてください。
屋根のリフォーム工事を行うメリット
屋根のリフォーム工事を行うといくつかのメリットがあります。
それぞれまとめてみましょう。
雨漏りを改善できる
家を建てて年数が経過すると、屋根の塗装が剥がれたり、防水性がなくなり雨漏りをしたりする症状が現れます。
屋根リフォームを行えば、そのような不具合を修繕できるでしょう。
特に屋根瓦を使用している家では、屋根瓦ごと葺き替えを行えば、家の雨漏り防止につながります。
自宅を長持ちさせることができる
屋根をリフォームすれば、屋根自体の寿命を引き延ばすことができるので、自宅が長持ちするでしょう。
屋根は雨風にさらされる機会が多いため、外壁と同様、10年ほどで劣化が始まります。
屋根材だけではなく、下地まで全て新しく取り替えるのが一般的です。
そのため、屋根が新築と同じような状態になれば、雨風や紫外線から家を守る機能も蘇ります。
耐震性が向上する
軽い屋根材に交換すれば、建物の耐震性が向上します。
屋根瓦は耐久性が高く、メンテナンスの手間が掛からないというメリットがある反面、建物の重心が高くなるため耐震性があまり高くありません。
ストレートなど軽い屋根材にリフォームすることで、耐震性の向上が期待できるでしょう。
イメージチェンジできる
屋根のリフォームをすれば、家の外観を新しくすることができるので、イメージチェンジにつながります。
家を建てて年数が経過すると、どうしても家の外観に飽きてしまうもの…。
外壁の塗り替えでも多少は印象は変わりますが、屋根の葺き替えなど屋根材ごと取り替えるリフォームを行えば、色はもちろん、デザインや素材も変化します。
新しい家に住んでいるような気分になれるでしょう。
屋根リフォームの工事は8種類
屋根のリフォーム工事には、いくつもの種類があります。
いったいどのような工事があるのでしょうか?まとめてみましょう。
葺き替え工事
葺き替え工事は、屋根材と下地の劣化が進んでいる場合に、すべて新しくする屋根リフォームのことです。
既存の屋根材と屋根材の下に敷いてある防水シート(ルーフィング)、野地板(木材下地)を撤去し、新しく野地板・防水シート・屋根材を張り替えます。
新築から20年前後で行う工事で、期間は5〜7日程度です。
葺き替え工事のメリット
- 同じ屋根材を使用するので、新しい屋根材の種類を選ぶ必要がなく楽
- 下地の点検が同時にできる
葺き替え工事のデメリット
- 既存の屋根の撤去・廃棄が必要となるため、費用・手間がかかる
葺き直し工事
葺き直し工事は、これまで使用していた瓦や天然スレート(石板)を再利用して、屋根を葺き替えるリフォームのことです。
屋根材を再利用するので、環境に優しいのが特徴。
防水シートや野地板(木材下地)はメンテナンスして刷新します。外観を変えたくない方や、支出を抑えたい方におすすめです。
葺き直し工事のメリット
- 屋根材を再利用するので環境に優しく、材料費を節約できる
- 家の印象が変わる心配がない
葺き直し工事のデメリット
- 粘土瓦、天然スレート(石板)など限られた長寿命の屋根材でのみ施工が可能
- 瓦が廃盤していると施工できない
- イメージチェンジはできない
カバー工法(屋根重ね葺き工事)
カバー工法は、既存の屋根材に、新しく重ねるように屋根材を被せるリフォーム工事のことです。
既存の屋根材を撤去しないので、葺き替え工事よりも費用を安く抑えることができます。高額な費用をかけずに、屋根を一新したい方におすすめです。
カバー工法のメリット
- 廃材がほとんど出ないため、環境に優しい
- 処分にかかる費用を節約できる
- 屋根が二重になるので、断熱性・遮音性が向上する
カバー工法のデメリット
- 屋根が重くなるため、耐震性が低くなる
- 雨漏りが起きてしまった場合、原因追及や補修費用が高くなるケースがある
- 施工できる屋根と屋根材は限られる
塗装工事
塗装工事は既存の屋根材に塗料を塗って、劣化を抑えるリフォーム工事のことです。
スレートや金属屋根、セメント瓦などの屋根は、定期的に塗り替えることで、美観の保持はもちろん、屋根自体の寿命を延ばすことができます。
10年に1回のペースで塗装を行えば、屋根の劣化を防ぐことができるでしょう。
塗装工事のメリット
- 定期的に行えば、屋根を長持ちさせることができる
- 遮断塗料を使用すれば、暑さを軽減でき快適機能がアップする
- 屋根リフォームの中でも比較的リーズナブル
塗装工事のデメリット
- 屋根材の耐用年数や寿命の関係で、施工できない場合もある
防水工事
防水工事は、屋根に防水加工を施すリフォーム工事のこと。
「陸屋根」と呼ばれる、平らな屋根に施工されることが多いです。
リフォーム時には柔軟性が高く、耐久性・コスト面でバランスが取れたウレタン防水工事が採用されます。
それほど傷みがない防水面には、そのまま防水層を形成する「密着工法」が可能です。
しかし築年数が経過し、雨漏りが見られる部分には「絶縁工法(通気緩衝工法)」を行います。
「絶縁工法(通気緩衝工法)」は、下地と防水層を完全密着させずに、下地に溜まっている水分・空気を逃す空間を作ります。
これによって、塗膜の膨れや割れを防ぐことができるのです。
防水工事のメリット
- 定期的に行うことで漏水を防ぎ、家が長持ちする
防水工事のデメリット
- 絶縁工法(通気緩衝工法)の場合には、脱気筒が邪魔になるケースがある
棟板金の交換工事
棟板金の交換工事とは、棟板金を一度取り外して、新しい棟板金を取り付けるリフォーム工事のこと。
棟板金の木材下地が腐食している場合には、その木材下地も取り替えます。
主にスレート屋根や金属屋根の棟に使われている板金は、強風で被害が出やすく、飛散してしまうこともあるので、定期的に交換するようにしましょう。
棟板金の交換工事のメリット
- 交換する際に貫板を樹脂製のものに換えれば、風に強い棟板金にできる
棟板金の交換工事のデメリット
- 他の部分にも傷みが出ている場合には、思った以上の修復費がかかる場合もある
漆喰補修工事
漆喰とは、日本瓦の下に敷かれている屋根と下地の接着剤の機能がある土のようなもの。
漆喰は年月が経過すると崩れてきて、瓦のズレや欠けが起こり、雨漏りの原因になってしまいます。
漆喰補修工事は、漆喰を積み直したり、詰めたりして補修するリフォーム工事です。
約15年の周期でメンテナンスが必要となります。
漆喰補修工事のメリット
- 早めに漆喰補修工事を行っておけば、棟全体を積み替えることなく瓦のズレや落下を防げる
漆喰補修工事のデメリット
- 瓦がズレている場合には、漆喰補修工事では間に合わず、棟瓦を全て積み直さなければならない
雨どい修理・交換工事
雨どい工事は、雨樋の破損や劣化箇所を修理・交換するリフォームのこと。
雨どいには屋根の雨水を集水して、速やかに排出するという役目があります。
雨どいがない場合、軒先から流れ落ちる雨水によって建物の周りに溝ができたり、泥はねが起きたりして家を傷める原因になります。
雨どい修理・交換工事のメリット
- 雨どいを大きいものへ交換すれば、集中豪雨などでも溢れ出す可能性が低くなる
雨どい修理・交換工事のデメリット
- 2階の雨どい交換には足場が必要となるため、仮設費用が必要となる
屋根材は種類によって価格や耐用年数が異なる
屋根材は種類によって、価格や耐用年数が異なります。
ここでは、各屋根材の特徴を解説します。
粘土瓦
粘土瓦は、粘土を焼いて作る瓦のことで、「陶器瓦」「いぶし瓦」と呼ばれることもあります。
基本的に塗装の必要がなく、耐用年数も長いのが特徴。
また、断熱性・防音性に優れており、デザインが豊富なのも魅力です。
しかし、粘土瓦の工事価格は非常に高額で、重量もあるため耐震性は低いというデメリットもあります。
「耐久性の高い屋根材にしたい」という方におすすめです。
価格:9,000~12,000円(1平方メートルあたり)
耐用年数:50~100年
粘土瓦のメリット
- 塗装が必要ない
- デザイン性が高い
- 耐用年数が長い
- 断熱性・防音性が高い
- 結露しにくい
- 耐火性・耐久性に優れている
- 破損しても1枚単位で交換できる
- 日本家屋にマッチする
粘土瓦のデメリット
- 工事費用が高い
- 重量があるため、耐震性が低下する
- 施工できる職人が少ない
- 暴風で瓦がずれる
セメント・コンクリート瓦
セメント・コンクリート瓦は、セメントやコンクリートを原料にして作る瓦のことです。「モニエル瓦」と呼ばれることもあり、粘土瓦に比べて安価なのが魅力。
ただ、粘土瓦に比べると耐用年数が短く、塗装も必要です。
そのため、現在ではほとんど生産されておらず、近年では利用する住宅が減少しています。
価格:6,000~8,000円(1平方メートルあたり)
耐用年数:30年~40年
セメント・コンクリート瓦のメリット
- 粘土瓦に比べてリーズナブル
- 断熱性に優れている
- 防音性が高い
- デザインの種類が豊富
- 燃えにくい
- 破損した場合、1枚単位で交換可能
セメント・コンクリート瓦のデメリット
- 粘土瓦に比べると耐用年数が短め
- 重量があるため耐震性が低い
- 塗装が必要となる
- 水を吸いやすく、コケ・カビが生えやすい
化粧スレート
スレート屋根には「化粧スレート」と「天然スレート」の2種類がありますが、一般的にスレート屋根として使用されているのは化粧スレートです。
化粧スレートは、セメントと繊維質を混ぜて板状に加工した屋根材のこと。
「人工スレート」「コロニアル」「カラーベスト」とも呼ばれています。
デザイン性が高く、重量が軽いので耐震性は抜群。
さらに値段も安いことから、日本の住宅において普及率No.1の屋根材です。
価格:4,500~8,000円(1平方メートルあたり)
耐用年数:20~25年
化粧スレートのメリット
- 安価である
- デザイン性が高い
- カラーバリエーションが豊富
- 耐火性・断熱性に優れている
- 工事できる業者が多い
- 軽くて耐震性が高い
化粧スレートのデメリット
- 割れやすい
- 塗装が必要となる
- コケやカビが生えやすい
天然スレート
天然スレートは、粘板岩を板状に加工した薄い屋根材のことです。
化粧スレートに比べると高級感があります。
耐用年数は長いですが、重量があるため耐震性が低め。
価格が高いため、それほど普及していません。
価格:10,000円以上(1平方メートルあたり)
耐用年数:20年以上
天然スレートのメリット
- 天然石ならではの美しさと高級感がある
- 化粧スレートに比べて耐用年数が長い
天然スレートのデメリット
- 重量があるため耐震性が低い
- 化粧スレートに比べると価格が高い
トタン屋根
トタン屋根は、亜鉛でメッキ加工した薄い金属製の屋根のこと。
価格が安く、軽量であるため耐震性が高いです。
しかし耐用年数は10〜20年と、屋根材としては最も短く、断熱性・防音性が低い、錆びやすいなどのデメリットもあるため、近年では使用する家が減ってきています。
価格:5,000円~6,000円(1平方メートルあたり)
耐用年数:10~20年
トタン屋根のメリット
- 軽量で耐震性が高い
- 安価である
- カラーバリエーションが豊富
- 雨漏りしにくい構造
- 適切なメンテナンスで長く使える
- 施工が簡単で、工期が短く安価
トタン屋根のデメリット
- 耐用年数が10~20年と非常に短い
- 断熱性が低い
- 防音性が低い
- 塗装が必要である
- 錆びやすい
- 家が安っぽく見える
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛、シリコンによってメッキ加工された鋼板素材の屋根。
安い価格で工事できる「カバー工法」に適しているので、コスパに優れており、金属製屋根材の中で一番人気があります。
複雑な形状をしている屋根でも対応できて、かつ防水性も高いです。
コスパよく、メリットが多い屋根材と言えるでしょう。
価格:6,000円~9,000円(1平方メートルあたり)
耐用年数:塩害地域で15年、その他の地域で30年程度
ガルバリウム鋼板のメリット
- 軽量で耐震性が高い(日本瓦の約1/6の軽さ)
- 金属素材の中では錆びにくい(トタンに比べて防錆性約4倍)
- 複雑な形状をしている屋根でも対応可能
- 防水性が高い
- カバー工法に適している
- 耐火性・耐久性に優れている
ガルバリウム鋼板のデメリット
- 衝撃に弱く、凹みや傷がつきやすい
- 防音性が低い
- 塗装が必要である
銅板
銅板屋根は、銅製の板を屋根に貼り付けたもの。
銅板は、その厚みによって耐久性が変わります。
下地をしっかりと施工して、0.4㎜程度の厚みのある銅板であれば、「100年もつ」とも言われるほど耐用年数が長いです。
ただ現在では酸性雨の影響によって、屋根に穴があいてしまうケースも多く発生しています。
新築時は、新品の10円玉のような色をしていますが、緑色に変化するのが特徴。
耐久性が高いメリットがあるものの、価格が非常に高額です。
価格:20,000円~(1平方メートルあたり)
耐用年数:60年以上
銅板屋根のメリット
- 耐用年数が最も長い
- 錆びても耐用年数は短くならない
- 塗装の必要がない
- 軽量で耐震性が高い
- 耐火性に優れている
- 和風建築デザインによく合う
銅板屋根のデメリット
- 価格が屋根材の中で最も高い
- 工事できる業者が限られている
- 酸性雨や電食によって屋根に穴があきやすい
- 断熱性・防音性が低い
アスファルトシングル(防水シート)
アスファルトシングルとは、不燃布やガラス繊維であるグラスファイバーにアスファルトを塗装して、表面に細かな石粒(砂)を吹き付けてアクリル樹脂で固めて仕上げたシート状の屋根材のことです。
価格:5,000円~6,000円(1平方メートルあたり)
耐用年数:20~30年
アスファルトシングルのメリット
- 軽量で耐震性が高い
- 錆びない
- 割れない
- デザイン性が高い
- 柔らかく加工しやすいため、複雑な形状の屋根にも対応可能
- 防音性・防水性に優れている
アスファルトシングルのデメリット
- 風で吹き飛びやすい
- 表面の石粒が落ちやすい
- カビやコケが生えやすい
- 施工できる工事業者が限られている
屋根材を選ぶ基準とは?
屋根材にはたくさんの種類があるため、どれを選べば良いか迷ってしまいますよね。
ここでは、屋根材を選ぶ基準について解説します。
価格
屋根のリフォームを検討中のほとんどの方が気になっているのは、屋根材の価格ではないでしょうか。
特に大規模なリフォームの検討中であれば、あらかじめ工事にかかる予算を設定している人も多いです。
価格重視で屋根材を選ぶのであれば、トタンやアスファルトシングルが安くておすすめ。
メンテナンスにかかる費用などを含めて、トータル的にコストパフォーマンスに優れている屋根材が良い!という方であれば、スレートやガルバリウム鋼材がおすすめです。
デザイン
屋根は他人の目に触れる部分であり、デザイン性にこだわりたい方が多いです。
屋根材の商品によっては、デザイン性が優れているものや、カラーバリエーションが豊富なものなどがあります。
家の雰囲気やテイストにも合わせて、屋根材を選んでみましょう。
瓦やアスファルトシングルはデザインが豊富なので、デザイン重視の方に人気があります。
耐用年数
屋根材を選ぶ際に、耐用年数も重要なポイントとなります。
耐用年数が長ければ長いほど、次に行うリフォーム工事の時期が遅くなるので魅力的です。
耐用年数の長さで見ると、銅板や瓦は非常に長持ちします。
ただ価格も割高なので、家にあとどれくらい住む予定なのか?を考慮しながら屋根材を選ぶと良いでしょう。
屋根リフォーム工事の種類まとめ
今回は、屋根リフォーム工事の種類や屋根材について解説しました。
屋根のリフォームではさまざまな工事の種類があり、使用する屋根材もたくさんあります。
耐久年数が長いもの・耐震性に優れたもの・価格が安いものなど、それぞれを比較しながら、どのような屋根リフォーム工事を行うのか?どのような屋根材を使用するのか?を考えると良いでしょう。
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